Core i 比較表 | 世代や用途ごとにIntel CPUの性能を比較
Core i はIntelのミドルスペック以上のCPUブランド名であるが、i3,i5,i7,i9といったシリーズ分けや世代、用途の違いなどで細かく分かれ、その種類は100を軽く超える。
このため「何となくCore i5が良い」などと甘い認識でCPUを選ぶと失敗する確率が高くなる。
そこで本ページでは世代や末尾文字などを理解した上で比較表を見て、搭載すべきCPUを選べるようになることを目指していきたい。
廉価版のCeleronやAMD社のRyzenなど他のCPUも合わせて比較したい場合はCPU性能比較表に全てのデータがまとまっているのでこちらを参照。
この記事の目次
- Intel Core i CPUのシリーズと世代
- CPUの世代による性能差とシリーズの違いによる性能差はどちらが大きい?
- Intel Core i CPUの末尾文字の意味
- Core i シリーズ性能比較表
Intel Core i CPUのシリーズと世代
まず重要なことはシリーズと世代を理解することである。ご存じの方は多いと思うが、シリーズは価格帯別のラインナップを表し、Core i3、Core i5、Core i7、Core i9と数値が大きいほどハイエンドなCPUとなる。
次に世代は、ほぼ毎年刷新されるアーキテクチャが最初から数えて何番目かを示す。Core i7-1260Pならば、シリーズ名のi7に続く12が世代を表す。
当然新しいほど改良が加えられて性能が向上し、世代が変わると年にもよるが20%程度性能が上がることが多い。世代ごとにロゴが変わるので、それで区別を付ける猛者もいる。
また、世代ごとに開発コードネームが付けられており、下記のネーミングでCPUが宣伝される事も多い。
世代 | 開発コードネーム |
---|
第13世代 | Raptor Lake |
第12世代 | Alder Lake |
第11世代(ノートPC) | Tiger Lake |
第11世代(デスクトップPC) | Rocket Lake-S |
第10世代 | Ice Lake |
第9世代 | Cofee Lake Refresh-S |
第8世代 | Cofee Lake |
CPUの世代による性能差とシリーズの違いによる性能差はどちらが大きい?
一世代前のCore i7と最新世代のCore i5ではどちらが性能が上か?というような質問であるが、大抵のケースでは一世代前のCore i7の方が性能が高い。
また2世代前でも例えば第10世代 Core i3が第8世代のCore i5に処理能力が負け、同様に第10世代Core i5が第8世代Core i7に負けるなどシリーズ上位のCPUが性能を見せつける。
ただ、第13世代のCore i5が第12世代Core i7の性能をベンチマークで上回るなど逆転もしばしば起きているので、やはり当サイトなどでベンチマークスコアの検証をしっかりと行っていくべきである。
Intel Core i CPUの末尾文字の意味
シリーズと世代の他で重要な要素が末尾文字である。Core i7-10510UならばUが末尾文字であり、末尾文字は主に用途を表す。すなわちパソコンの購入者がどのような作業を行うかにより最適なCPUが異なってくるのである。
末尾文字は複数あるが、代表的なものを図示すると次のようになる。
図のように消費電力と性能を軸に整理すると頭に入りやすい。
デスクトップ向けのCPUは、通常版、設定によりパフォーマンスの最大値を変更できるオーバークロック版の他、グラフィックボードを搭載する事が前提のF版も存在する。
F版はグラフィック機能を備えていない分価格が抑えられているのでグラボの搭載を前提とするならばコスパが高いモデルといえる。KFというオーバークロックと組み合わせたモデルもある。
次にノートはゲームを快適に行うのに適したH、動画編集を快適に行え、ゲームもそこそこ動くG、P、低消費電力でモバイル用途やオフィス作業に適したUなどがある。
GとPはAI機能が強化されており、リモート会議のノイズ除去や背景隠しなどにも有効なことから、パワフルなテレワーク用ノートパソコンとしても人気が高い。一押しのシリーズと言える。
Core i シリーズ性能比較表
おおよそCPU名称(型番)が理解できたかと思うため、Core i シリーズの性能比較表を示す。
ベンチマークとして総合的な能力を計測するPassMarkの総合スコアPassMark(M)とシングルスレッドの性能を測るPassMark(S)を掲載している。
基本的にはPassMark(M)を下記目安とともに参考にすれば良いだろう。ただ、PASSMARKの値はベンチマークバージョンにより上下するため、他サイトのスコアは参考にならないので注意しておこう。
PassMark(M)の目安
40000 - ・・・ゲームのパフォーマンスに異常にこだわる変態、プロフェッショナルなクリエイティブ用途20000 - 40000・・・ゲームで高いFPSを目指す時、クリエイティブ用途で特定処理の高速化を実現したい場合12500 - 20000・・・複数アプリでのハードなPC作業も余裕でこなせ速い。高度な3Dゲームを快適にしたい場合8000 - 12500・・・日常的なPC使いでは余裕のパフォーマンス、動画編集やゲームも快適にこなせる5500 - 8000・・・日常的なPC使いで遅いとは思わないレベル。テレワークでは最低これぐらいは欲しい3000 - 5500・・・体感的な引っかかりが気になるレベル。裏でウイルススキャンとか走ると辛い2000 - 3000・・・動画やブラウザでの引っかかりが多く、イライラさせられる。遅い~2000・・・敢えて言おう、カスであるとその他、表の項目説明等はまとめておくので必要に応じて参考にして欲しい。
PassMarkについて+
PassMarkは重い計算処理を回す、動画のレンダリングを行うなど、CPUが様々な使われ方をされた場合の総合的な性能を評価している。この値が高いほどCPUが総合的に高速であるといえる。
当サイトではCPUの全てのコアを使用した総合的な性能であるPassMark(M)と一つのみを用いたPassMark(S)のスコアを併記している。Mはマルチコアの略であり、Sはシングルコアの略である。それぞれの特徴は下記の用になる。
有利なコア | 具体的なタスク |
---|
シングルコア | アプリの起動、Webブラウジングのサクサク感、ゲーム |
マルチコア | 複数アプリの同時実行、ファイルの解凍・圧縮、動画のエンコード・デコード、AI処理、画像のレンダリング |
スコアは毎年新規のCPUが出るたびに少しずつ上がるが、スコア自体が何を意味するかというものではない。新旧世代の製品や、シリーズ違いの相対比較に用いるのが良い。
なお、ソースとしてPassMarkの値は下記を参照している。
CPU性能比較表の読み方。注意・注目点+
この比較表では、CPU名、ベンチマークスコア、TDP、コア数、スレッド数等の項目が載っているが、それぞれについて注意点を簡単に掲載しておく。表を見て比較する時の参考として欲しい。
CPU性能比較表の読み方。注意・注目点
PassMark(M)・・・絶対的な評価基準、高いほど総合的に優秀。PassMark(S)・・・シングルスレッドスコア、高いほどゲームのフレームレートやアプリ起動のサクサク感に効果を発揮TDP・・・熱設計電力を表し、消費電力の目安。単位はW。ノート向けは概ね50W以下で探せば良い。コア数・・・CPUの演算ユニットの数、多いほど同時複数の処理を得意とする。スレッド数・・・パソコンから見える仮想的なコア数。1コアあたり2スレッドのケースが多いが2コア2スレッドには能力で劣る。最大周波数・・・パソコンの速度の基準の一つ、5GHzは1秒間に5億回の計算命令を発行できるタイミングを持つ。命令の効率にも依存するため一概には言えないが、一般的に高いほど単一で重い処理を高速にこなす事ができる。価格・・・単位はドル、アメリカでの参考販売価格。日本だとおおよそ130程度を掛けた値となる。輸入価格が上乗せされやや割高な感がある。発売年・・・ベンチマークとして初めて登録された年、日本での発売日とは若干ずれる可能性はある。コスパ・・・PassMarkの値を価格で割った値。数字が大きいほどコスパが高い。まあ参考程度に。Intel CPU末尾文字の意味一覧+
Intel CPUの末尾文字
アルファベット無し・・・通常版X・・・オーバークロックに対応、Kと同じだが、Intelの最高峰CPUを冠した文字K・・・オーバークロックに対応F・・・CPU内臓グラフィック(iGPU)無効、グラフィックボードを搭載しないと描画できない。デスクトップ向けH・・・ハイパフォーマンス、ゲーミングノートに主に使われるP・・・第12世代で初登場、ノート用でハイパフォーマンスと低消費電力を両立させた万能タイプG・・・内蔵グラフィック強化版・Adobeなどの動画像編集やゲームで有利T・・・低消費電力版、ノートパソコンや小型デスクトップに使われる、スペック高めU・・・15Wウルトラ低消費電力版、事務作業に最適でバッテリー寿命も長いY・・・5Wの超低消費電力版。パワーは弱い、ライトユーザ向けM・・・モバイル向け、第5世代以降使われていないQ・・・クアッドコア(現在は使われていない)検索/フィルタリング方法の例・詳細+
ヘッダー部分をクリックすることでソートが行える。また、CPU名称はカンマ区切りをすることでor条件で調べられ、各スコアはレンジ(-)や不等号でフィルタリングすることができる。
フィルター方法の例(該当するフォームへ入力)
i5-13,i5-12,i5-11・・・第13世代と第12世代と第11世代のCore i5を比較Ryzen 7 5,i7-13・・・第5世代Ryzen7と第13世代Core i7を比較core.*-12・・・第12世代のCPU。.*はワイルドカードで任意の文字列が入るcore.*-13.*K$・・・第13世代のCPU。$は終端文字で最後がKで終わる1 - 20000・・・スコアが1から20000まで、-の間にはスペースが必要<50・・・TDPが50W未満の省電力CPUのみフィルタ>=4・・・コア数が4以上>100・・・参考価格が100ドルより上フィルター結果をコピー
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