メモリの選び方

パソコンの速度に大きな影響を与えるメモリ、4GB、8GB、16GB等メモリ容量を決定することが最も重要であるが、他にメモリ自体の速度、デュアルチャネル化など考慮すべき点はある。メモリ関連の用語を抑え、自分に適したメモリを選択しよう。

この記事の目次
  1. メモリとは?
  2. メモリ容量のおすすめは大抵の場合8GB
  3. 16GBのメモリがあった方が良いケース
    1. 最新の3DゲームやVRをする場合
    2. プロが使用するような本格的な動画編集ソフトを使用したい場合
    3. 同時にアプリケーションを大量に立ち上げたい場合
    4. 仮想デスクトップ環境を構築したい場合
  4. 4GB、8GB、16GB、32GBを用途別に表にまとめる
  5. 8GBの2枚挿しでメモリのデータ転送速度を上げる
  6. 8GBか16GBで迷ったら増設できるかで決める
    1. メモリの増設は簡単
    2. モバイルノートなど一部機種は増設できない
  7. メモリ関連のスペック・用語説明
    1. DDR(ダブルデータレート)
    2. PC4-19200
    3. SDRAM
    4. スロット数
    5. DIMM、 SO-DIMM

メモリとは?

メモリとは広い意味ではパソコンの内容を記憶する装置のことを呼び、USBメモリのような電源を切ってもデータを保持するもの(補助記憶装置ともよぶ)もメモリの一種である。

しかし、パソコンで単にメモリと言えば写真のようなメモリモジュール(別名SDRAM、DRAM)のことであり、OSやアプリケーションを実行させるために必要な領域を提供する役割を果たす。電源を切ると読み込んだ内容が消去され、再度電源を入れると読み込み直される。

メモリが使用されるイメージを図示すると下記のようになる。

アプリケーションを起動するとまず、メモリにアプリケーションデータがロードされる。

メモリ領域をより効率的に使うために、あまり使われないデータはSSDなどのストレージに一時的に格納され、必要に応じて取り出される。

ストレージをメモリとして使うことで、見せかけのメモリ量を大きくすることを仮想メモリ方式と専門用語では呼んでいる。

アプリケーションを複数起動させ、メモリの量が不足してくると、メモリと比べ低速なストレージにアクセスする回数が増え、アプリケーションの動作が重くなる、あるいは運が悪いと強制終了したりするのである。

メモリは作業机の広さに例えられることがあるが、ストレージは棚である。机が狭いと書類を棚に出し入れする回数が増え、作業効率が落ちるのと同じような話である。

メモリ容量のおすすめは大抵の場合8GB

さて、メモリが不足するとアプリケーションが重くなることは説明したが、どれぐらいのメモリ容量がおすすめなのだろうか?実際問題としては4GB8GB16GBで悩むことになるはずである。

まず、ネットサーフィンと動画閲覧、メールが中心でブラウザ以外のソフトはほとんど起動することがないならば4GBで全く問題がない。

しかし同時に音楽を再生する、ブラウザでも複数のタブを同時に開く(10個程度)、ウイルススキャンを裏で走らせるなど複数作業を同時にこなすとなると、4GBでは動作が全体的にもっさりとしてしまい、8GBのメモリが必要となってくる。

8GBあれば大抵の動画編集や3Dゲームも実行することができ、特殊な場合を除いてパソコンで行う作業のほとんど全てを快適に行うことができるだろう。

16GBのメモリがあった方が良いケース

4GBから8GBにメモリを増やすときは8GBから16GBへ増やすに比べてコストは半分で済み、また効果も実感しやすい。しかし時に16GBあった方が良いケースもあるので例を挙げていく。

最新の3DゲームやVRをする場合

ゲームにはどの程度のスペックがあれば快適に遊べるかを各メーカーが推奨スペックという形で提示している。

大抵は8GBで問題がないものの、日本のゲームでも例えばFF15のFullHDでの推奨スペックが16GBになるなど、ジワジワと16GBの波が来ている印象がある。

メモリ不足でカクツキが発生すると勝てるゲームも勝てなくなるので、ゲームを快適に行いたい場合は16GBを積んでおくのが良いだろう。

プロが使用するような本格的な動画編集ソフトを使用したい場合

例えばAdobe After EffectsやAdobe Premiere Proというソフトは16GB以上のメモリを積むことを推奨している。推奨スペックが動画編集ソフトには書かれているはずなので、その基準に沿うようにしよう。

プロが使うような本格的な動画編集ソフトを使いたい人は最低でも16GBで、できれば32GBは搭載しておきたい。

同時にアプリケーションを大量に立ち上げたい場合

ブラウザのタブを40個開き、バックグラウンドで音楽を流し、ウイルススキャンを裏で走らせ...などして敢えてメモリを多く使用すると16GBの恩恵がギリギリ得られるかもしれない。Google Chromeはあればあるだけメモリを使い、メモリが余っている人には最適なブラウザである。

仮想デスクトップ環境を構築したい場合

プログラミングを勉強するために、Windowsの中にLinuxを入れて動かしたいという場合、メモリを仮想デスクトップ用にいくらか確保しなければならず、その分普段使いのメモリが圧迫される。

同様にAndroidやiOS開発でシュミレーターを起動するといった場合もメモリを多く消費する。プログラマならばメモリ16GBあっても良いかもしれない。

4GB、8GB、16GB、32GBを用途別に表にまとめる

最後におすすめのメモリ容量を表としてまとめてみた。これを参考にして最終的には決定して欲しい。

メモリ用途
4GB軽い事務作業、ブラウザのタブ4つ程度
8GBブラウザのタブ大量、そこそこのマルチタスク、映像編集、大抵の3Dゲーム
16GB超マルチタスク、4Kでのゲームプレイ、重めの3Dゲーム、Adobe After Effects、Adobe Premiere Proでの本格映像編集、仮想デスクトップ、Androidシュミレータ
32GB4K動画編集、3Dモデリングの長時間プレビュー再生、本格的なAIの学習

軽い作業は4GB、ある程度まじめな事務用途は8GB、ゲームは16GB、プロのクリエイターは32GBあれば安心である。

8GBの2枚挿しでメモリのデータ転送速度を上げる

容量としては8GBで十分であっても、特定のタスクでは8GBのメモリを2枚使い16GBにした方がデュアルチャネルという技術により高速化が可能である。

デュアルチャネルはメモリとCPUの間の伝送路の道幅(帯域幅)を理論上2倍(実質は1.5倍程度)に広げることで、効率的にデータの受け渡しを行う仕組みである。

これによりCPUとメモリが大量のデータのやり取りを頻繁に行うファイルの解凍や動画のエンコード、複雑な3Dシュミレーションなどの処理が高速化される

ストレージとメモリ間の帯域幅を広くするわけではないので、ファイルのコピーやゲームデータのロード等が高速化されるわけではないことは注意が必要である。

同じサイズのメモリ2枚がデュアルチャネル化の条件であるため、8GBのメモリ2枚と同様、4GBのメモリ2枚でも問題がない。ただしパソコン購入時に4GBx2を選択できる機会があまりないので、8GBx2が主流となっている。

高速化される処理と、程度はおおよそ下記の通り。

処理内容改善内容
ファイルの圧縮デュアルチャネルで高速化される代表的なタスク。メモリに読み込んだデータをCPUと相互にやり取りを頻繁に行い計算して圧縮していく。20%程度は高速化が可能。
動画のエンコード動画形式の変換はファイルの圧縮と同様、大きなデータをCPUとメモリがやり取りをして計算処理をこなしていく。エンコードする形式にもよるが10%程度高速化が可能。
3Dゲーム(グラボ搭載無)グラボを搭載しない場合には、グラボ内のビデオメモリ(VRAM)の代わりにメモリが使われる。物理演算をリアルタイムで行う必要があるのでメモリとCPUのやり取りが多い。15%程度フレームレートが向上し映像が滑らかになる。
3Dゲーム(ハイエンドグラボ搭載)物理演算はグラボ内のVRAMが行うが、その他のリアルタイム計算処理も多く、メモリが圧迫されることがある。ゲームによりけりだが、10%程度フレームレートが向上する。
AI学習AI学習では大量の行列データを計算するため、メモリとCPUのやり取りが多くなる。計算内容にもよるが10%程度は処理速度が向上

一方でアプリケーションやOSの起動や、ゲームのロードはストレージの速度に依存するため特に速くならない。

総括すると、Youtuberや動画クリエイターのように動画の形式変換をよく行う人、ゲーミングPCを買うまでは行かないが、3Dゲームを遊んでみたい人、AI学習や物理演算を実験などで行う必要がある人はデュアルチャネルの恩恵が受けられる

10万以上するハイエンドなグラフィックボードを積む人は、言われなくてもデュアルチャネルにするだろうから取り敢えず無視。

他の一般の人は、滅多にしないファイルの圧縮で10秒が8秒になったぐらいのレベルであり、メモリの容量と比べると恩恵が遥かに少ないため、あまり効果は体感できないであろう。

まあドラクエのレベル1アップ程度の効果はある気はするので、予算に余裕があればデュアルチャネル化を試してみても良いだろう。

8GBか16GBで迷ったら増設できるかで決める

8GBで大抵快適であるが、16GBが欲しいタスクも存在し、また16GBにすることでデュアルチャネル化の恩恵も場合により受けられるというのがここまでの話である。

16GBにするべきは分からないが、予算は抑えたいならば購入後にメモリを増やせるかを基準にすれば良い。

これにはメモリの増設が自分でできそうか?と、増設自体が可能なパソコンか?という問いに答える必要がある。

メモリの増設は簡単

メモリの増設方法をステップ毎に説明していく。

①ケースを開けて既存のメモリを取り出して規格・速度を確認する。

パソコンケースの開け方は購入したパソコンの説明書に書いてあるはずである。デスクトップパソコンの場合はドライバーでケースを空けるか、手で取り外せるようになっているかいずれかである。

また、ノートパソコンの場合はカバーをドライバーで取り外すと、メモリが挿し込まれていることを確認できる。

取り出したらメモリ規格と速度(後述)は何かを確認する。下記のようにラベルが貼ってあるのでそこで確認が可能である。

DDR4が規格だが、PC4と書かれている場合もある。私のものだとサムスン製のメモリはPC4と書かれていた。

②同種の規格・速度のメモリを購入する

AmazonなどでDDR4 2666 8GBなどと検索すると、対象のメモリを見つけることができる。

注意としてノートパソコン用はSO-DIMM、デスクトップ用はDIMMとサイズが異なる。ノート用であるならばSODIMMと検索に追加すれば良い。

メモリ速度の2666は必ずしも合わせる必要はないが、デュアルチャネルで速度が遅い方が基準となってしまうため、できるだけ合わせた方が良い。

③空いているメモリスロットに購入したメモリを挿す

メモリスロット数はノートやスリム型のデスクトップパソコンでは2つ、大型のデスクトップパソコンならば4つであるため、8GBのメモリを1枚挿した状態であればスロットは必ず空いている。

空いているスロットに挿そう。4つスロットが備わっている場合は、デュアルチャネルの有効化のために同じ色のスロットに挿す事が重要となる。

④パソコンを起動する

最後にパソコンを起動しよう。これでメモリが増設されているはずである。Ctrl + Shift + Escキーを同時に押すとタスクマネージャーが起動できるので、そこでメモリが増えた事を確認できる。

モバイルノートなど一部機種は増設できない

このようにメモリの増設は簡単に行えるため、必要になった時点で買い足すことができる。

ところがモバイルノートなどの機種では、狭いボディに部品を工夫して詰め込む構造となっており、メモリの増設ができないことが多い

デスクトップや、一般的なスタンダードノートなどは間違えなく増設が可能であるが、モバイルノートや、少し奇抜なデザインのパソコンは注意した方が良い。

スペック表に増設不可と書かれることも多いため、購入時はネットで検索するなどしてメモリの増設が可能か調べておくと良い。

増設不可が分かったならば、メモリ不足を将来解消する事ができないため、不安ならば余裕をもって最初からメモリを十分に積んでおく必要があるだろう。

メモリ関連のスペック・用語説明

最後にメモリの仕様を見ても良くわからないと思うので何となく分かる程度に説明しておく。

下の例で、PC4、DDR4は規格の名前である。メモリ増設を行うときは規格が違えば認識してくれないため注意しなければならない。後ろの19200は伝送速度、この値が大きいほど高速と考えてよい。SDRAMはメモリの正式名称。より詳しく見ていこう。

メモリ容量・規格8GB PC4-19200
(DDR4 SDRAM, 4GBx2, デュアルチャネル, 最大 64GB)
スロット数4

DDR(ダブルデータレート)

Double Data Rateの略、昔のメモリは一つの信号(クロック)でデータの書き込みと読み込みを同じタイミングで行う事ができなかった。

例えるならば貨物列車で行きだけ荷物を持っていき、帰りは何も荷物を持たずに空のまま戻るといった具合である。

そこで新しい規格として帰りも荷物を積んで帰るという規格がDDRである。同時に書き込み、読み込みができるレール数の違いによりDDR2、DDR3、DDR4という規格が存在する。

すなわち貨物列車をDDR2ならば2台、DDR3ならば各レーンを更に並列化させて4台、DDR4ならば更に並列させて8台同時に走らせるといった具合である。

ただし並列化(レーンの数を増やすこと)させるごとに貨物列車のスピードが約半分になるようで(メモリ観点では命令を送るクロックの数が半分になる)、DDR3から4に上がったタイミングでは転送速度はほぼ変わらない。

ただし、各スピードが半分になるという事は安定性が向上して、電力消費が少なくなるというメリットがある。

PC4-19200

PCはPersonal Computerの略ではなく、Pipeline Clockの略である。パイプライン式にデータ書き込み・読み取り信号を流して送り、4はDDRと同じ4番目の規格という意味である。

19200は伝送速度(MegaByte,MB)である。PC4-19200はモジュール規格であるが、メモリチップの規格としてDDR4-2400(Mt/s)と表現されることもある。

Mt/sはMega transfer per secondで1秒あたり2400Mbitの伝送量がある事を表している。これは1bitの場合で、データ入出力の個数が64個ある64bit対応(現在のパソコンは基本64bit)のメモリの場合には、そのそれぞれの1bitに相当する部分の伝送量が2400Mbit、バイトに直すと300MB(Mega Byte)であるため64bitで19200MB/s(=19.2GB/s)の伝送速度があることを示している。

DDR-2400とPC4-19200はチップの規格か、そのチップを内包したモジュールの規格を言っているかの違いであり、ユーザー観点での差異はない。PC4-19200はDDR-2400の8倍速いと勘違いしないように

デュアルチャネルの箇所でも述べたが、伝送速度、すなわち帯域幅が大きいほど動画のエンコード/デコード、Zipファイルの解凍などの処理が短時間で終わるようになる。

SDRAM

メモリの正式名称(Synchronous Dynamic Random Access Memory)、パソコン購入時に単にメモリと言うとこのSDRAMを指す。パソコンの電源を切るとSDRAMの中で電荷が失われ、記録が消される点でハードディスクやSSDと異なる。

スロット数

メモリ挿し込み口の数、この数により増設が可能かが決まる。基本的にはデスクトップPCで4つ、ノートPCでは2つであるが、モニターと一体型のデスクトップPCや超小型デスクトップPCでは2枚である事が多い。

メモリスロットが2つの場合、4GBのメモリを2枚搭載してしまったがためにスロットの空きが無くなり、16GBへの増設を断念しなければならないう失敗もある。

すなわち将来的に増設を考えるならば空きスロット数には注意を払うべきである。

DIMM、 SO-DIMM

DIMMはデスクトップ用のメモリで、SO-DIMMはノートパソコン用のメモリのことである。DIMMはdual in-line memory moduleの略でSO-DIMMのSOはsmalloutline、要するに小型のDIMMということである。

このモジュールの種類が異なるパソコンにはメモリを増設する事ができない。SO-DIMMは一体型パソコンなどのスリムなデスクトップパソコンにも使われている。増設時には間違えないようにする必要がある。

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  1. メモリとは?
  2. メモリ容量のおすすめは大抵の場合8GB
  3. 16GBのメモリがあった方が良いケース
    1. 最新の3DゲームやVRをする場合
    2. プロが使用するような本格的な動画編集ソフトを使用したい場合
    3. 同時にアプリケーションを大量に立ち上げたい場合
    4. 仮想デスクトップ環境を構築したい場合
  4. 4GB、8GB、16GB、32GBを用途別に表にまとめる
  5. 8GBの2枚挿しでメモリのデータ転送速度を上げる
  6. 8GBか16GBで迷ったら増設できるかで決める
    1. メモリの増設は簡単
    2. モバイルノートなど一部機種は増設できない
  7. メモリ関連のスペック・用語説明
    1. DDR(ダブルデータレート)
    2. PC4-19200
    3. SDRAM
    4. スロット数
    5. DIMM、 SO-DIMM
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