キーボードの選び方

キーボードに関する地味な苛立ちを抱える人は多い。窮屈な態勢を強いられ、肩が凝る、pボタンやEnterキーは小指で押さなければならず重い気がする、打ち間違えが多い、何となくフィーリングが良くないなど様々なものがある。

パソコン作業において、これらの悪条件があると生産性が知らず知らずのうちに落ちていき、作業が捗らないにも関わらず、疲れだけが溜まるということにもなりかねない。そこで本ページでは生産性を上げるためのキーボードの選び方を説明する。

キーピッチの狭い小型キーボードを使わない

キーピッチとはキーとキーの間の長さのことで、一般的なデスクトップパソコンに付属するキーボードならば19mm、小型のノートパソコンならば16mmといったところである。

モバイルノートパソコンでキーを打ったことのある人ならば分かると思うが、キーの間隔が狭いとそれだけで打ちづらく、また体勢も縮こまった状態になってしまうために長時間作業を行うと疲れがたまりやすい

よって生産性を高める目的ではキーピッチの狭い小型のキーボードは使ってはならない。

ノートPCを使っている場合も、USB接続やBluetoothのペアリング機能でノートPCと接続して、外付けのキーボードを使用することができる。少しでも楽にキーボードを打ちたい場合は試してみよう。

Bluetoothには対応せず、無線LANのみの対応であったとしても、デスクトップパソコンと同様で付属のUSBを通じて通信を行えば問題なく使えるはずである。

打鍵感が良く、打ち間違えが少ないものは深いキーストローク

一つ打ち間違えがあるたびに、ストレスが少しずつ蓄積していき、生産性が落ちてくる。打ち間違えが起こる原因の一つはキーストロークが浅いことである。

キーストロークとはキーを押し下げた時の深さのことであり、標準のもので3mm~4mm、浅いもので2mm程度である。

キーストロークが浅いと少し押しただけでもボタンが反応し、速くタイピングができるというメリットがある。ただその分ミスタイプも発生しやすくなってしまう。また打鍵感もあまりよくない。

データ入力作業のようにただ書類にあるデータを打ち込むだけの作業であればキーストロークは浅くても良いかもしれないが、その場合であっても正確さを考えるとある程度キーストロークは深い方が良いと思われる。

総合的に判断するとキーストロークが深い標準的なキーボードの使用を基本的にはおすすめするが、打鍵感や打ち間違えの多さには慣れも大きく影響する

ノートパソコンで浅いキーストロークに慣れているという場合はそちらを使った方が良い場合も多いので最終的な判断としてはお任せしたい。

ケーブルがストレスにならないならば有線が安定

タイピングをした時に、電波の接続状況が悪い、あるいは電池が十分で無い場合には遅延して文字入力が起こる、あるいは反応しないということが稀なケースであるが起こり得る。

これは周りの電波状況にもよるため、高級なキーボードを購入したとしてもこの問題が起こる可能性はある。

また電池が切れたものの家にストックが無く、店まで買いに行くのも面倒である。キーボードの電池は毎日使用していても2年程度は持ち、滅多に切れることが無いからこそ、必要となった時に電池が無い可能性も高い。

有線だとこれらの問題が起こることが無いため安心である。ただし、やはりケーブルだと見た目がスッキリとしないため視覚的なストレスが溜まることもある。どちらが良いかは非常に判断に難しいが、特にケーブルの取り回しが気にならなければ生産性の観点から有線をおすすめする。

テンキーは電卓を良くたたく人以外不要

テンキーは、キーボードの横についている電卓と同様の並びをしたキーのことである。これは電卓を頻繁に使う人以外あまり使うことはない。私もキーボード上部にある数字キーで十分なのでほぼ使ったことが無いが、電卓を使い慣れており、これが無いと問題だという人はついていた方が良いかもしれない。

ともあれ使う頻度が少ないがためにキーボードの右端に追いやられているキーであるので使う見込みがないならば積極的に削るべきところである。

その分机の空間が広く使えるようになり、キーボードとマウスを行き来する時のオーバーヘッドの時間も抑えることができる。これにより生産性のアップにつながる。

おすすめキーボード紹介

東プレREALFORCE R2 テンキーレス

生産性向上において、一つキーボードを選ぶならばオーソドックスな形にして高機能なREALFORCE S R2 テンキーレスキーボードをおすすめする。

上記の条件を全て満たす他、静電容量無接点方式という静音性や耐久性を備えたキーボードの構造特性を有し、キー一つ一つの角度や形状も打ちやすいものになっている。またキーストロークの深さを調整するためのキースペーサーが付属するため、しばらく使ってみてしっくり来ない場合には好みに合わせることができる。

さらにパソコンでゲームをする時に、一般的なキーボードでは3つ以上のボタンをキーの組み合わせによっては同時に押すことができないが、このキーボードは全てのキーを同時押しできる性能があり、用途を選ばない。

エルゴノミクスキーボード

エルゴノミクスとは人間が自然な動きや体勢でいられ、無理な負荷を体にかけないための理論で、これに基づいて設計されたキーボードを使うと、可能な限り自然な体勢でキー入力を行うことができる。

上の写真のようにキーボードが左右に分かれ、ハの字をしていることが分かる。ハの字の体勢を取るとわかると思うが、肩回りの筋肉に無理な力が入らない。

これにより手首や腕の位置が自然体となり、体への負荷が減少し、特に肩こりに対しては効果が大きい

バリエーションが少なくキーストロークや打鍵感はあまり好みのものが選べるかは分からないが、長時間作業を行い、体への負荷軽減を重視するならば生産性向上に大きく寄与してくる。

形状を見るとわかるが、1週間程度は慣れが必要で、使用した最初はタイプミスを連発するといったこともあると思われる。また左右で分離された構造になっているのでブラインドタッチが正しくできない人は更につらい思いをすることになる。

管理人の場合は数字の6を右手側で打っていたが、左手側に配置されているため最初非常にストレスを感じてしまった。正しいブラインドタッチに強制してくれるという観点ではありがたいのだが。。。

メカニカルキーボード(茶軸・赤軸)

メカニカルキーボードとはキーごとに独立したスイッチが搭載されたキーボードのことで、快適な打ち心地が得られると同時に耐久性にも優れ、故障時も各キーを入れ替えれば修理できる。

ドイツのCHERRY社という会社が製造するキースイッチがメジャーで、キースイッチには打鍵感の違いから青軸・茶軸・赤軸と名称がついている。

それぞれの打った時の特徴として茶軸はデスクトップパソコン付属の標準的なキーボードを正当進化させ、心地よいフィードバックが得られるようになったという印象。心地よいフィードバックは正確なキー入力を助け、ミスの少ない打鍵を可能にしてくれるであろう。

次に赤軸はフィードバック感がなく軽いタッチでキーボードを叩くことができる印象。フィードバック感は乏しいためキーを押した感触を重視したい人には向かないが、軽いタッチによる高速なタイピングを可能にしてくれ、また指も疲れず音が最も静か。長文を書く時には適しているといえる。

前述した東プレのキーボードはこれに近いがややフィードバック感が加わった印象である。

最後に青軸は、キーボードを押すたびにカチッカチッと気持ちの良い音が響き、明確なフィードバック感があるため打っていて最も楽しくなるキーボードである。

しかし青軸は音が周囲に響くため、周りに人がいる環境では使うべきではなく、あまりおすすめできない。またゲーミングキーボード以外にこのスイッチが搭載されているのも見たことがない

以上から生産性向上のためには正確性が上がる茶軸か、高速タイピングで疲れない赤軸をおすすめする。メカニカルスイッチはゲーミング用途として販売されているが、その高性能な機能を是非一般用途にも活用したいところである。

1つおすすめとして、茶軸に近い打ち心地で高速タイピング性能も備えたロジクールのゲーミングキーボードPRO G-PKB-001を挙げておく。

その他キーボード選びで注意するポイント

生産性向上のためのその他のポイント及び、購入時に注意をしなければならないポイントや知っておくべき用語を整理しておく。

キーボード配列がJIS配列になっている事を確認

日本で販売されているキーボードには異なるキーボードのものが2種類あり、一つは一般的にパソコンを購入したら標準で付属しているJIS配列(日本語配列)というもの、そしてもう一つがアメリカでスタンダードなUS配列なるものである。

アルファベットや数字入力など大きな点で変わりは無いが、セミコロンの位置やダッシュ、アットマークなど記号の位置の多くの表記が異なっている。

キーとボタンのマッピングを決めるのはWindowsの設定であるため、Windowsで日本語の標準キーボードを使うよう設定されている時にUSキーボードを使うと、USキーボードの上に印字されている印字と異なる文字が出力されてしまい混乱を招く。

使える自信がない場合は標準のJIS配列のキーボードをおとなしく使おう。

キーボードの使用頻度が高い人は高い耐久性のものを

たまにワードで文章を編集するぐらいでキーボードが壊れることはないが、文章を書くことやデータ入力作業が多い場合には耐久性が重要である。

前述した静電容量無接点方式という構造は接点が無い方式で耐久性が非常に高い。

通常は各キー内にある電極が、キーが押されることにより下部に触れ、電流が流れることによりキーが押されたと認識する。しかしこの方式はコイルを利用し、キーが一定レベルまで近づけば回路に電流が流れる仕組みのため、物理的な接点がなく、摩耗が無いことが高い耐久性の理由である。

メンブレンとパンタグラフ

通常パソコンを購入したときに付属するキーボードはメンブレンかパンタグラフと呼ばれる構造のキーボードである。

細かい構造を知る必要はないが、メンブレンはデスクトップパソコン用キーボードとして多くが採用されており、ゴムの反発力を用いてキーを戻す方式である。メカニカルのような気持ちよさを得ることはできないが、製造コストが掛からず価格が安い

パンタグラフはメンブレンと比べて反発力が弱い、ノートパソコンにあるような薄型のキーボードで採用される方式である。薄型のため、持ち運びやすいというメリットはあるが、打鍵感は他と比べて良いとは言えない

ともあれ批評を見ているとメンブレンとパンタグラフが多く比較対象として登場するため、比較調査をする上で覚えておくとよいだろう。

変荷重

キーを押すときの重さは一般的には45グラム程度であるが、全てのキーが同じ重さだと、力が入りにくい小指で押すキーがやや押しづらさを感じる。個人としてはpとEnterは押すのが苦手である。

この問題を解決しているのが変荷重キーボードで、キーごとに重みを押しやすいよう調整してくれている。小指のフィーリングに違和感を抱えるならば試しても良い選択肢である。