格安パソコンは毎日1時間程度の使用時間でメンテができる人向け

5万円を切る価格帯で販売されているPCがある。10万円程度するパソコンと比べて何が足りていないのだろうか?本当に買っても大丈夫なのだろうか?と不安がよぎるかもしれない。

スペックが通常のパソコンと比べて低い、あるいは付属のソフトが少ないなど、ハード、ソフト面でのコストがカットされているわけであるが、パソコンの使用スタイルから問題がない場合も多い。

本ページでは、格安パソコンの購入を検討している、あるいは購入予定であるが、スペックを決めかねている人に対して適切な判断材料となり得るポイントを解説する。

格安パソコンの特徴は?

格安パソコンの定義は、ここでは5万円以下で買えるパソコンということにする。これらのパソコンの一般的な特徴としては機能としての差異はほとんどなく、バッテリーもそこそこ持つものの動作が遅く、容量が少なく、マイクロソフトオフィスが無いというものである。

これらについて説明する。

機能面でできない事はゲーム程度

格安パソコンだからといってパソコンとしての機能が制限されるわけではない。搭載されているOSはWindowsの最新版であり、OS上でできることは格安パソコンでも可能である。

動画編集はできないと書かれているサイトもあるが嘘である。低スペックパソコンでもWindowsの基本ソフトであるムービーメーカー程度であれば、それなりにサクサク動かすことができる。

プロ用途としては見劣りするが、一般的な用途で問題となることは無い。

ただしゲームだけは難しい。ソリティアやマインスーパーなら問題がないが、3Dゲームとなると高度な描画性能は持っていないため諦めるしかない。

そもそもゲームを本格的にしたいならばGPU(グラフィックボード、グラボ)という描画専用プロセッサーを搭載する必要があり、最低でも2万円は掛かる代物である。到底できるものではないと考えておこう。

あとは強いて言うならば指紋認証がないだとか、HDMI端子の数が少ないであるとか細かいところであるが、その辺りは値段にそれほど影響しない点なので、格安パソコンの中で所望の機能が搭載されているものを選べばよい。

動作が遅い

格安パソコンと通常のパソコンの最大の違いはハード面のスペックである。もっさり遅く、たまにカクつくというのが最多の失敗例かと思われる。

動画閲覧や重いアプリケーションではカクつきが発生し、インターネットを見ながら音楽を聴き、Excelシートを立ち上げるなどの複数の操作を同時に実行していると次第に動作が遅くなる。

通常のWebブラウジング、すなわちただインターネットを見ているだけであっても、複数のタブを開いていると動作が遅くなることもある。

また、購入時は快適だったのにしばらく使っていたら遅く感じはじめることも多い。

興味がある人へ向けて何故遅くなるのかについては後の節で紹介しようと思う。

容量が少ない

極端に少ないSSDしか搭載されていない場合は注意が必要である。OSだけで25GBは占有してしまうため、実際に使える部分は更に小さくなるからである。

写真や動画を少しばかり取り込むといっぱいになってしまい、小まめにファイルの削除を繰り返す羽目になる。

またSSDは書き込み、読み込み回数が決まっており、極端に少ないSSDでファイルの削除、上書きを繰り返すとダメージが大きくなり、故障にも繋がりかねない。

64GBはファイルの保存をごくわずかしかしないと分かっている人のみが使用できる領域である。最低でも128GBは搭載しておきたい。

マイクロソフトオフィスが入っていない

Word/Excelなどのオフィス製品は高価なもので、それを付属するだけで2万円程度は価格が上乗せとなる。

当然格安パソコンには入っておらず、使用する場合は別途オフィス365を購入するか、代替品で済ますかなどを検討する必要がある。

オフィス365はオフィスを月額あるいは年額制でしようできるサービスで、サブスクリプションサービスとも呼ばれる。月額1000円程度で使用することができ、不要となったら解約できる。

電池は意外と持つ

電池の質も低いと思いきや、バッテリーは比較的長寿命のものが多い。これはCPUが低速で熱消費量が少ないことが主因である。低消費電力のためバッテリーの消費が少なくてすみ、長持ちするのである。7~8時間は使える格安パソコンも多い。

故障率はむしろ低い

数量規模が大きい汎用的なパーツを組み合わせてコストを抑えるているので、壊れやすい訳ではない。

むしろ高級感を出そうとして、工場で特殊な加工を施した、というケースの方が故障率は高まるだろう。

安かろう悪かろうですぐに故障するなんてことはないので、この点は安心して欲しい。

また、低消費電力のために熱がこもりにくく、パソコン自体が高温になりにくいため、この点でも故障率は低くなる。

格安パソコンは1日1時間未満の人へおすすめ

さて、このような特徴を持つ格安パソコンであるが、動作の遅さにどの程度のデメリットを感じるかが一つポイントとなる。

Webブラウジングや、OSの立ち上げ、それぞれ少しずつ遅く感じるのだが私が感じる体感としては10万円のパソコンと比べて1時間あたり2分間分程度生産性が落ちているように感じる。

これは実際の動作が遅いということと、たまにカクツキが起きて作業の妨げになるなどの複合的な要因であるが、何年も様々なパソコンを使用してきての大体の感覚がこのあたりである。

この2分という情報に加え、我々の時間価値を仮に1800円、パソコンの寿命を5年として、パソコンが速くなることでどれぐらいの価値が生まれるのかを考えてみる。

1日5時間パソコンを触る人は5年で54万損をする可能性

まず1日5時間パソコンを触るヘビーユーザーのケースを考えてみる。この時一日あたり10分作業が遅くなることになる。

365日だと約60時間失っており、5年で300時間の損失となる。

時給に換算すると300時間で54万円となり、これがパソコンのヘビーユーザーは格安パソコンをメインのパソコンとして買うべきではない理由である。

自分の時間価値が低いと思っている人、時給を1000円としても損失は30万円近くになり、やはり大幅に損をする計算となる。

スペックの高いパソコンで濃密な時間を過ごし、空いた時間でアルバイトをした方が最終的に得をするということである。

1日1時間だとどうか?

1日1時間だと、損失時間は300時間の5分の1なので30時間となる、時給に換算すると5年で10万8千円となり、まだ高い。

自分の時間価値を1000円とすると6万円となり、これだと10万円のパソコンを買った時とでうまくコスト的な釣り合いが取れている。

このことから結論としては、1日1時間以上のパソコン作業を行う人は10万円はする高スペックのパソコンを買うべきであるということが言える。

何故動作が遅くなるのか?

ところで何故格安パソコンは動作が遅いのだろうか?、スペックが低いからが答えだが、全ての動作が遅くなるわけではなく、制約を守って使えばそれなりに使うことができる。ここでは遅くなる原因を現象ごとにチェックする。

動画閲覧や重いアプリケーションがカクつく

普通のWebブラウジングならば問題ないものの、Word/Excel/PowerPointなどのオフィス製品、Youtubeの動画閲覧などで動作がカクつく可能性がある。

これは主にCeleronやAtomと呼ばれる低速なインテルCPUを使っている事に由来する。

パソコン内では常に複数の処理が走っており、アプリを立ち上げるごとに処理すべき対象は増えていくものである。CPUは各パソコンに対して一つであるので、CPUは様々な処理を並列的にリソースを割り当てなければならない。

1つずつのアプリケーションに対して十分にCPUリソースが割り当てられない時にこのカクツキ問題が発生する。カクツキを抑えるにはアプリの起動数を抑える必要がある。

インターネットでタブを大量に起動しているともっさりしてくる。

カクツキは重いアプリや処理にとどまらない、軽いアプリであっても複数のアプリを起動させると次第に動作が重たくなる。

複数アプリを起動した状態に保つためにはアプリケーションをロードするためのメモリが必要となる。メモリとはアプリが動作するためのスペースであり、足りなくなるとスペースを確保するために低速なストレージ(ハードディスクやSSD)にメモリ内にロードされていたアプリの一部を一時的に退避させるという処理を走らせる。(専門的にはこの退避スペースを仮想メモリと呼ぶ)

机の上で作業していて、散らかってきたので今すぐには見ない一部の本を本棚に移す作業と全く同じことをパソコンが繰り返すようになるのである。本棚へ本を移す、本棚から本を取り出す作業は当然ながら時間がかかる。

メモリが不足すると仮想メモリへのアクセスが多発するため速度が極端に遅くなる

また、この時CPU能力も不足している可能性も高い。Ctrlと半角とEscキーを同時に押すと、現在使用しているCPUやメモリの量が分かるため確認してみよう。遅い時はCPUの使用率が100%近くまで上昇しているはずである。

1か月でなんだか遅くなる

最初は結構快適かもと思っていたパソコンも、時間が経つにつれて次第に遅くなってくる。

パソコンソフトの中にはバックグラウンドで常に動作している常駐ソフトが多くある。ソフトをいくつもインストールしているうちに、次第にこの常駐ソフトが増え、もっさりとした動きになってくるのである。

その他、ストレージに何度もファイルを書き込んでいると、ハードディスクが連続した領域を確保できないというフラグメンテーションの問題が発生して遅くなることもある。

ハードディスクの整理整頓ができていない問題で、本棚に例えると、同じシリーズの漫画の各巻を、連番で並べていないような状態である。

これらは少しパソコンに詳しい人だとスタートアップで起動する常駐ソフトの数を減らしたり、デフラグを試したりで対処できる。しかし初心者やそんなことを気にしたくない人は多少高くとも余裕を持ったスペックで購入することをおすすめする。

起動までの時間がかかる

パソコンを操作するためにはまずOS(オペレーティングシステム)と呼ばれる基本ソフトを起動させる必要がある。起動するためにまず、OSをストレージからメモリに展開する必要があるが、その展開速度はストレージの種類により異なる。

ストレージにはHDD(ハードディスク)とSSDの2種類があり、SSDの方が読み込み速度が速く、パソコンの起動が速くなる。HDDで40秒かかるとするとSSDでは20秒程度になるのが通常である。

格安パソコンではHDDが使われているか、極端に容量の少ないSSDが使われているかの2種類である。容量を取るか、速度を取るかは考えた方が良いだろう。

まとめ、格安パソコンを購入しても良いか?

パソコンを日常的に使わない人がコストを抑えるために購入する場合にはおすすめしたい。Webサイトの閲覧がメインであっても複数のタブを開いていたり、他の作業と並行して行っていたりすると遅くなるため速度には注意したい。

また、自分でパソコンのメンテができる事も重要である。具体的にはハードディスクの整理、デフラグ、常駐メモリを減らす作業をインターネットで調べてできる人であるならば、格安パソコンの低スペックであっても長期間快適に使うことができるはずである。

インターネットがメインだけど、タブレットやスマホでは不満という人へはChrome Bookも選択肢である。マイクロソフトのWindowsでなく、GoogleのOSであるChrome OSが組み込まれているパソコンで、動画編集には向かないものの高速で動作し、バッテリー寿命が長いという特徴がある。ネットと軽い作業だけだと割り切って使うには良いかもしれない。

日本ではあまり普及していないが、アメリカでは幅広いモデルが販売されているほか、コストパフォーマンスや快適性、安全性の面から教育現場などでも多く採用されており、広く認知されている。

ただ、日本ではそれほど安くなってはおらず、値段も割高に感じるため、そこまではおすすめしない。

格安パソコンに不安がある人はCore i5/8GBが目安

パソコンのメンテなどを気にせずに長期間使いたい場合には余裕のあるスペックが必要である。具体的にはCore i5で8GB程度のスペックがあれば生産性は高まり、動作も安定する。またインターネットブラウザでタブの数を意識する必要もない。

SSDも256GB程度さればそれほど容量を心配する必要もない。

メンテが面倒、または難しそうと思う場合、パソコンの使用頻度が高い場合には余裕をもったスペックにしておくことをおすすめしたい。

より詳細にスペックを知りたい人はトップページに行きパソコン購入の推薦を受けてみよう。きっと参考になるはずである。