個人投資家が株で勝てない理由

そもそも株に勝ち負けの概念を持ち込むこと自体、株をギャンブルととらえ、短期の投資を繰り返しているという訳であるが、常に年利10%以上の高い利益を目指して短期の売買などをしてもどの道勝ち目などないのだという事をここでは理解してもらう。

手数料に負ける

個人が株の売買を繰り返す時少なからず手数料が掛かってくる、仮に10万円のトレードで100円の手数料が掛かったとしよう。売買の往復手数料は200円、即ち0.2%の手数料である。この手数料で毎月売買を繰り返した場合、年間で2400円の手数料が掛かることになる。年利3%程度を目指せればまあ長期投資としては及第点かと思うが、手数料だけで2.4%もロスをしていては勝てるものも勝てなくなる。

ネットでいくら手数料が安くなって、一回当たりのダメージは少なくなったとしてもチリも積もればという事である。常に売買には手数料が付いてくるという事をよくよく念頭に入れておこう。

上がるタイミングを知らない

日本はインサイダー天国とも言われている。ある証券会社が投資判断を中立からオーバーウェイトに変更した結果株価が上がったなどというニュースを見る人もいるかもしれない。毎回ロクな根拠もおそらくは存在しないのに目標株価を設定して個人の購買心理をあおるのである、そしてそれをついて情報を知っている大型投資家は株を売買してくる。

即ちこの場合、投資判断をオーバーウェイトにした時には個人投資家は株を買い求め、その間に大型投資家は株を売っているのである。証券会社の情報に紛らわされず、ファンダメンタルを意識して株の売買は行わなければならない。

企業分析ができない

年中企業の分析をしている運用のプロに対して、一般的なサラリーマンでは多少詳しい人であっても当然太刀打ちはできない。PER、PBR等基本的な指標の理解はある程度できてもより深い分析は難しい。

もっとも投資信託の運用実績を見ているとプロが運用するアクティブ投信も機械的に売買を行うインデックス投信に勝てていないという事実もあるし、著名な人が年始に年末の株価予想を行うが、大体当たっていないのでプロが分析をできているかという事も懐疑的ではあるが。

テクニカル分析に頼る

テクニカル的に25日移動平均線が75日移動平均線の値を上回るゴールデンクロスを形成したから買いとか、ボリンジャーバンド帯を下に突き抜けたので逆張りの買いとか、本に書いてあった事を鵜呑みにする人は多いと思うが、その勝率を分析した事があるだろうか?

私はかつて上記のような有名な指標で売買をしたとしてどれくらいの確率で勝てるかを実験してみたことがある。この時は10%上がれば勝ち、10%下がれば負けとして勝率を計算したのだが結果はどの指標もほぼ50%の勝ちであった。

結局テクニカル分析は相場が動くタイミングを説明しているだけであって、その後上がるか下がるかを説明しているものではないという事である。しかも今の時代、分析が得意なAI(人工知能)と運用の勝負をしなければならず、ますます勝ち目はなくなっていると言える。

まとめ

個人が株の”勝負”をしても時間だけ取られ、失うものは大きいが得るものは何もないという事が分かったと思う。唯一対抗する手段は大手の着実に利益を出している優良企業を長期で保有することである。これは勝負ではなく単に資産形成のための長期投資である、株で勝負をすることはギャンブルであると自覚しない限りはやめておこう。

株は勝ち負けではなく運用であるということを念頭に入れておかないと損をする確率が上がってしまうわ!