自己資本比率が高ければ良いという訳ではない

自己資本比率とは株主資本が総資本に占める割合であり、株主資本は株主から見て返済義務のない資本で総資本は株主資本と負債からなる。即ち自己資本比率が高いほど企業の倒産可能性が低く、安定していると言える。

自己資本比率が高い会社は銀行側から見ると負債が少なく貸し倒れの確率が低くなるため上質なお客さんと言えるが、株主にとっては必ずしもそうではない。もちろん自己資本比率が低く倒産確率が高い企業は株主にとっても都合が悪いが、安定して資金を蓄えているのみで今後会社としての成長を期待できない事も同様に都合が悪く、株主としては安定した経営の範囲内で借金をして設備投資、研究開発に回し成長に繋いで欲しいと考える傾向が強い。

日本株は自己資本比率が諸外国と比べて高く、これは企業が稼いだ利益を内部留保として蓄えるのみで投資には繋げず、成長意欲、あるいは成長機会に乏しいという事を意味している。もちろん無借金であっても自己資本内でうまく次の成長投資へと結びつけ高い経営効率を実現している企業もあるが、全体としてみると経営効率の指標であるROE(Return on Equity)の値が低く、自己資本比率の高さがその一因となっている。

日本経済新聞が上場企業(金融など除く)対象に集計したところ、自己資本比率の平均が2016年度に40パーセントを超え、過去最高を更新したとの事で、資本効率の悪さが株価が伸び悩む原因となっていると指摘されている。今後はより成長に向けて投資を行える企業を株の購入候補として選んでいく必要がある。企業が設備投資を積極的に行っているかを確認する方法は、各企業のホームページのIR情報を探さなくとも、簡単には設備投資額が減価償却費を上回っている事で確認できる。

またどの程度の自己資本比率が適当かという質問に答えることは業態にもよりけりで難しいが、一般的には30パーセント程度あれば安定的とされており、それほど心配する必要はない。