経営指標のROEとROA

ややマニアックな内容にはなるが、経営者が良く口にするROEとROAについて解説する。投資家はPERとPBRに注目する事が多いがこのROEとROAも重要な指標で、株を購入する時にチェックしても良い値である。

株主視点のROE

株式会社は保有者は株主であり、株主はより多くのリターンを目指すものである。そこで株主から会社の運営を任された経営者が良く経営指標として口にする言葉がROEである。ROEは(Return on Equity)の略で日本語では自己資本利益率と呼ぶ。Equityは株主資本を意味し、企業の借入金を含まない手持ち資金を元手としてどれだけのリターンを得たかという指標である。ROEが10%というのは、例えば100億円の手持ち資金を110億円に1年で増やせたという事である。如何に少ない資金で効率的にお金を稼ぐかが求められるのである。

無借金経営だから株主にとって良いは間違い

企業が成長していく時、通常は銀行からお金を借り、工場を建てるなどの投資を行う。ところが無借金企業も多く存在し、そのような企業はお金を外部から借りることはせずに自前の資金のみを用いて成長していく。確かに無借金企業だと会社が潰れるという危険性は低いため銀行から見た時は資金の貸し先としてこれほどのものはない、しかし株主視点から見ると安定性も確かに大事ではあるが、大規模な投資をしてより成長して利益を還元して欲しいという要求も一方である。実際無借金企業は成長性が乏しい場合も多く、多額の借金をして大規模なビジネスを行っている会社の方がレバレッジが効いてROEが高い場合が多い。株主として利益が得られそうかと企業の安定性を図りにかけて考えることが重要である。

会社運営として視点ROA

次に、総資産に対してどれくらい稼いでいるかを表したものがROAである。Return On Assetsの略で、借入金も総資産の中に含まれるので、借入金も含めた手持ちの資産でどれだけ効率的に会社の運営ができているのかを示したものがこの値である。ROEとは総資産か、株主資本かという点で分母が異なる。ROAが高い会社は安定性が高く、しかも手元資金を上手く活用できており、従業員や銀行、株主と全てのステークホルダーに対して重要な値と言える。

ROEを見る時はROAも同時に見よ

どの株が割安かを判断する時、ROEが高い株だけに着目してしまいがちであるが、多額の借金を抱えつつ利益を出している極めて不安定な会社である可能性もあるため、ROEが高くてROAが低い会社は要注意である。またROEやROAの分子はその年の収益なので、毎年コロコロと業績が変わっているような会社は過去数年で安定的に利益を稼げているかについてしっかりと見定めなければならない。物事は常に多面的に見て判断する事を心がけよう。