PER

PERはPrice Earnings Ratioの略で日本語で株価収益率と言う。Priceは株価を、Earningsは儲け、ここでは一株当たりの純利益を、Ratioは割合である。即ち株価が1000円で、一株当たりの純利益が50円だとするとPERは20である。20年間その収益力が続くと仮定すると株で資金が回収できたとも考えられなくはない。またPER20は利回り5パーセントの商品とも考えられる。税金を考えると実質の利回りが4パーセントの商品となる。株が割安か割高かを判断するための重要な指標であり、世界中の投資家の間で恐らくはもっとも注目されている指標である。

PERを用いた株の買い方

PERをどのように投資に役立てて行けばよいのか?初心者向け投資セミナーに行くと良く教えられる事が、PERは株式の割安度を図る指標であり、15程度を目安として買えばよい、ものである。実際に日経平均のPERが近年14-16程度で推移している事を考えると、15以下を目安に買うというのは妥当な線である。これは割安さを測る目安としてPERを使用しているという事である。私もPERが10程度以下の割安株をスクリーニングして探し、その中で業績が良さそうな株があれば購入候補としている。

ただし、PERが高い株であっても買われる株は買われる。幾つか理由がある。一つ目は不況時でも業績が安定している事である。過去10年間のトータルでの収益は同じだがある会社は毎年ほぼ一定の利益を出していて、ある会社は毎年業績の振れ幅が大きい。この場合前者の方が投資家からは好まれ、その結果前者はPERが高くなる。一般的な感覚で言ってもそうだろう、例えば定期預金は金利は低いけれども元本が保証されて損をしない、一方で株式投資は行えば確率的に儲かることが多いけれども損をしてしまう可能性もある。結果日本人の多くが定期預金を選択している事からも安定的に収益を上げる企業の株はPERが高いのも納得である。

2つ目に売り上げが毎年どんどん大きくなってきている株はPERが高い傾向にある。この時投資家は、今はPERが高いが、今後その会社が成長して売り上げが大幅に上がった時のことを考えるとかえって割安なのではないかと考える。例えばPERが100でも買われる株はあるが、将来的に純利益が10倍になると考えると将来のPER10の株を手にすることになり、割安で購入できたといえる。今後の成長を視野に入れてPERがどこまでならば割安と言えるのか、という事は多くの投資家が考えるところである。

3つ目に、資産を多く持っているお金持ち企業の株はPERが高くても買われることが多い。潰れるリスクが限りなく低いためである。例えば帝国ホテル(9708)は業績が安定している事もあるが、無借金で利益剰余金も多く現時点でPER35まで買われている。キーエンスや任天堂も同様の理由でPERが高い。

最後に株主優待を実施している企業はPERが高くても買われやすい。優待の利回りと収益性の利回りを合わせて考えると十分にペイするからである。ただし優待だけに注目していると、例えばJALの経営状況を顧みず株主優待が欲しいあまりに買い付け、その後経営破綻により紙切れになるというリスクもある。

さて、サラリーマンが長期投資を行う事を考えてどうPERを使えばよいだろうか?まずPERが割安である、というのとPERが高くとも今後成長の期待が持てるものは購入する価値があると思う。一方で無借金でPERが高いが成長しない会社や株主優待を実施していてPERも高いが、優待内容が十分でない場合は買うべきでないと言える。このサイトでは実質利回り5%を目指しているのでPERが15で、未来を予測することは難しいが、その後10年程度安定した収益貢献が期待できそうならば購入を検討しても良いと思う。

また日経平均のPERは14-16程度に収まる事が多い、そこで特に収益に対する悪化材料が出ていないにも関わらず株価が下落している局面では購入を検討しても良いと言える。アメリカの株式のPERはもう少しだけ高いが、これは日本の企業は成長が期待されていないのに対し、アメリカ企業は期待が高い、即ち将来的な収益への期待を持って高いPERで株が買われているのである。